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AGA治療を検討すると、最初に提案される薬が「フィナステリド」です。フィナステリドは抜け毛の予防の役目をはたします。しかし、フィナステリドの濃度に種類があり、どれを選べばいいのかわからないと考える方は多いです。
フィナステリドの濃度について悩んでいる人のために、この記事ではフィナステリド0.2mgと1.0mgの効果の違いをまとめた論文を読みやすく書き直してみました。
論文の引用元は、「J-STAGE」というサイトです。J-STAGEは、あらゆる分野の最新研究成果はもちろん、明治時代に書かれた貴重な論文やノーベル賞受賞者の論文まで掲載されています。掲載された論文の数は490万を超えています。
この記事を読めば、フィナステリドを選ぶときに、科学的根拠をもとに適切な濃度を選ぶことができるようになります。
フィナステリド0.2mgと1.0mgの効果の差はほぼ同じ
結論からいうと、フィナステリドの0.2mgと1.0mgの間には効果の強さに若干の差がありますが、その差は小さいという結果が出ています。
研究では、フィナステリド0.2mgと1.0mgの両方を飲んだ人と、偽薬(なんの効果もないウソの薬。プラセボ。)を飲んだ人とを比較しました。結果、偽薬を飲んだ人と比較して、フィナステリド0.2mgと1.0mgを飲んだ人たちの方が明らかに髪の毛の量が増えました。
0.2mg/1mg/偽薬を飲んだ被験者の詳細
この試験では、男性型脱毛症(AGA)に悩む男性を対象としました。以下に、対象者の元々の毛髪の状態や属性、試験の詳細を紹介します。
- 年齢層:試験に参加した男性は、20歳から50歳までの年齢層
- 毛髪の状態:対象者は、軽度から中等度の男性型脱毛症(AGA)に分類されている
- 対象者の数:総計414人の男性が参加(途中離脱含む)
フィナステリドの効果を試す研究方法
- 試験の方法:被験者と評価者の両方が投与される薬の内容を知らない状態で行われた
- 服用期間:48週間(約1年間)服用
- 飲む薬の種類:0.2mgグループ/1.0mgグループ/偽薬グループ
研究の結果
研究結果は、「改善した割合」「改善しなかった割合」「効果の数値化」という形であらわされています。
改善した割合
「髪の毛が増えた」など、症状が改善された人数です。
- 1mgグループ: 改善した患者の割合は58.3%・・・132人中77人が改善を認めました。
- 0.2mgグループ: 改善した患者の割合は54.2%・・・131人中71人が改善を認めました。
- プラセボ投与群: 改善した患者の割合は5.9%・・・135人中8人が改善を認めました 。
フィナステリドを飲んだ場合、明らかに改善している人が多いということがわかります。
脱毛が進行した割合
「脱毛が進行した」など、症状が悪化した人数です。
- 1mgグループ: 悪化した患者の割合は1.5%・・・132人中2人が脱毛が進行しました。
- 0.2mgグループ: 悪化した患者の割合は4.6%・・・131人中6人が脱毛が進行しました。
- プラセボ投与群: 悪化した患者の割合は22.2%・・・135人中30人が脱毛が進行しました 。
服用をしていても悪化をする場合はあるようですが、偽薬グループと比較すると明らかに悪化を防げています。
スコアの詳細
ここからは、人数の割合ではなく効果の強さを数値化した内容をお伝えします。服用したあとの毛髪の結果を下記のような点数で分類します。
- +3: 著明な改善
- +2: 中等度の改善
- +1: 軽度の改善
- 0: 変化なし
- -1: 軽度の悪化
- -2: 中等度の悪化
- -3: 著明な悪化
被験者一人一人が結果にこの点数をつけていき、その平均値がグループの結果になります。
平均スコア
0.2mgグループ:平均スコアは0.6
1.0mgグループ:平均スコアは0.7
偽薬グループ:平均スコアは-0.2
0.2mg、1.0mgグループともに変化なしよりも改善に傾いていることがわかります。そして、偽薬グループは変化なしよりも悪化に傾いています。
0.2mgと1.0mgのスコアの差は0.1です。この結果から、0.2mgでも1.0mgとほぼ変わらないくらいの効果があるということがわかります。
フィナステリド0.2mgと1.0mgの副作用の違い
フィナステリドには性欲の減退と、勃起障害が起こるという副作用が報告されています。この副作用について、0.2mgグループ、1.0mgグループ、ウソの薬グループの比較の結果を論文から抜粋します。
臨床試験の結果を見ると、フィナステリド0.2mgと1mgの間で副作用の発現率に若干の違いがあります。なお、以下で話す副作用は、性欲の減退と勃起障害のみの結果であり、初期脱毛は含まれていません。
フィナステリド0.2mg
副作用の発現率は約1.5%(137人中2人)で、1mg投与群よりも低いです。
フィナステリド1.0mg
性欲の減少や勃起機能不全の副作用が約5.0%(139人中7人)の患者で見られました。
偽薬
副作用の発現率は約2.2%(138人中3人)で、フィナステリド投与群と比べると若干低いです。
驚きなのは、偽薬グループよりもフィナステリド0.2mgグループの方が副作用の発現率が低いという結果です。
副作用の発現率が
0.2mg<ウソの薬<1.0mg
というのは凄い結果だね。
そうですね。
性欲の減退や勃起障害が薬のせいではない可能性すらある
ということになります。
数字だけ見れば、「何も飲まないよりも0.2mgのフィナステリドを飲んだ方が性欲減退や勃起障害の予防になる」ともいえるということです。フィナステリドは、何も薬を飲まないのと同じくらい副作用の心配がない薬であるといえますね。
まとめ(結果の一覧表つき)
フィナステリド0.2mgと1mgのどちらも有効であり、偽薬と比較して明らかな効果があります。
毛髪改善の効果が1mgの方が若干高い効果を示す結果はありますが、その差は大きくありません。
副作用発現率の差も若干ありますが、同じくその差はそこまで大きいものであはりません。
表にまとめるとこのような形です。
0.2mg | 1.0mg | |
改善確率 | 54.2% | 58.3% |
悪化確率 | 4.6% | 1.5% |
効果の強さ | 0.6 | 0.7 |
副作用発生率 | 1.5% | 2.2% |
値段 | 2,000円程度~/月 | 3,000円程度~/月 |
この表に照らし合わせて、自身の考え方で0.2mgか1.0mgを選ぶとよいでしょう。
そこまでAGAが進行していない場合は、まずは0.2mgから服用を始めて、半年ほど効果を観察したうえで改めて容量を増やすなどを医師と相談して決める方法がベターです。