男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン(2017年度版)を詳しく解説してみた

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男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン(2017年度版)を詳しく解説してみた

このページでは、日本皮膚科学会が専門家の意見を集めて作成した、脱毛症の治療に関するガイドラインを紹介しています。

このガイドラインは、AGAはどんなもので、どんな治療があるのか、どのようにして髪を守れるのかを科学的な根拠に基づいて説明しています。

プチハゲ兄貴
プチハゲ兄貴

日本皮膚科学会が出しているガイドラインなので、AGAの治療をする医療機関はこのガイドラインに沿って治療をしていると考えてOKです。

ハゲ予備軍太
ハゲ予備軍太

ひらたく言ったら病院や医者が参考にしているめちゃくちゃ信頼できるAGA治療の基本ルールブック」って感じだね。

また、当サイトの全記事も、基本的にはこのガイドラインに沿った内容で作成しています。

・公益社団法人 日本皮膚科学会WEBサイト
https://www.dermatol.or.jp/

・男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/AGA_GL2017.pdf

本記事をざっと読んでいただくことで、「現代の薄毛治療は科学的根拠に基づいた、しっかりとした医療である」ということを知って頂けます。

第一章:ガイドラインの概略と目的

この第一章は、ガイドラインがどのように作られたか、どんなデータが使われたかを詳しく説明しています。

ガイドラインの内容がどれだけ信頼できるものか、その科学的な根拠がしっかりしているかということが主な内容となります。

背景と目的

このガイドラインは、男性型脱毛症(AGA、androgenetic alopecia)に焦点を当て、科学的根拠に基づいた治療法を提供することを目的としています。

男性型脱毛症は思春期以降に始まり徐々に進行する脱毛状態であり、外見上の印象に大きな影響を及ぼし、患者のQOL(Quality of Life)に影響を与えます。

近年の研究進展により、有効な外用薬や内服薬が開発されていますが、一方で科学的根拠のない民間療法も広まっています。

このガイドラインは、日本における脱毛症診療の質を向上させるために策定され、患者と医師双方に情報を提供し、標準的な治療法を普及させることを目的としています。

また、女性の男性型脱毛症への理解が深まり、治療法も進化しているため、この改訂版では新たな治療薬や治療手段、未承認の毛髪再生医療についても触れています。

プチハゲ兄貴
プチハゲ兄貴

ここでは「科学的根拠がしっかりとある」ということと、「患者と医者の双方に治療の情報を提供する」ということが書いてありますね。

診療ガイドラインの作成手順

「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン」は2010年に第1版が作成されています。そして、このページで紹介しているガイドラインは第1版を改定した第2版です。

ガイドラインの改訂は、日本皮膚科学会と毛髪科学研究会(SHSR)が共同で行っています。

この改訂では、2010年の版を基にして、新しい研究質問の選定や情報収集に特に力を入れています。

日本皮膚科学会の承認を得た後、専門家たちは必要な文献を集め、治療の推奨内容をまとめました。

さらに、公開する前には、皮膚科の専門家たちからの意見を受けて、内容が広く評価されました。

このプロセスを通じて、最新の研究や情報がガイドラインに反映され、医師や患者さんがより良い治療を選べるようになっています。

プチハゲ兄貴
プチハゲ兄貴

この項目は「非常に賢いお医者さんや専門家たちが、最高の方法を使って、信頼性が非常に高いガイドラインを作成した。」というふうに理解していればOKです。

ハゲ予備軍太
ハゲ予備軍太

めちゃくちゃわかりやすいね(笑)

エビデンス(科学的根拠)の収集とレベル

ガイドラインを作る際には、信頼性の高い情報源(Medline、PubMed、SCOPUSなど)からデータを集めました。

ここから、ランダム化比較試験(RCT)やシステマティックレビューといった、信頼度が高い研究から情報を取り入れました。

これらは、治療方法が実際に効果があるかどうかを科学的に評価するための最も強力な研究です。

また、ランダム化されていない比較試験や症例報告のような研究も参考にしましたが、基本的な研究や動物実験の結果はこのガイドラインには使用していません。

これは、ガイドラインが人間の患者さんに直接適用されるため、より直接的な証拠を重視したためです。

ハゲ予備軍太
ハゲ予備軍太

ひらたく言ったら「人間の治療結果だけを材料にして、超強力な科学的根拠の作り方をしている」ってことでいいの?

プチハゲ兄貴
プチハゲ兄貴

そのとおりですね。

第二章:疾患概念・病態と診断、治療の概略

第二章では、主にAGAという病気の概要と、その治療法について記載されています。

ほとんどのページは、各治療法についての詳しい説明になっています。

疾患概念(病気の定義、基本的な説明)

男性型脱毛症(AGA)は、毛の成長サイクルが乱れ、特に成長期が短縮され休止期の毛が増加することで起こります。

このため、前頭部や頭頂部の髪が徐々に細く短くなり、最終的には髪がほとんど見えなくなる状態に進行します。男性の場合、特に20代後半から30代にかけて発症が顕著となり、年齢が上がるにつれて症状が進行します。

日本人男性の発症率は、全年齢平均で約30%とされ、年齢とともに発症率は高まります。

具体的には、、、

  • 20代で約10%
  • 30代で20%
  • 40代で30%
  • 50代以降で40%以上

上記の割合で、何らかの脱毛の兆候がみられるという報告があります。

男性型脱毛症の発症には、遺伝的要素が強く影響しています。

これらの遺伝的背景と、男性ホルモンの作用が組み合わさることで、AGAが発症しやすくなります。

このガイドラインは、これらの科学的知見を基に、男性型脱毛症の診断と治療のための具体的な情報を提供し、効果的な治療法を提案しています。

病態(病気のしくみ)

AGAの病態は、男性ホルモンの作用が大きく関与しています。

特に、前頭部や頭頂部の毛乳頭細胞には男性ホルモン受容体が存在し、運ばれたテストステロンは5α還元酵素の働きにより、より活性が高いジヒドロテストステロン(DHT)に変換されます。

DHTが結合すると、毛母細胞の増殖が抑制され、成長期が短縮されるため、毛が細く短くなる現象が起こります 。

診断(医師がAGAだと断定する方法)

男性型脱毛症の診断は、問診での家族歴や脱毛の経過の聴取、視診での頭髪の状態確認により行われます。拡大鏡の使用も診断の手助けとなります。

日本ではハミルトン・ノーウッドの分類を基にした高島分類が広く使用されています 。

ハゲ予備軍太
ハゲ予備軍太

「ハミルトン・ノーウッドの分類を基にした高島分類」ってなに?

プチハゲ兄貴
プチハゲ兄貴

AGAクリニックのWEBサイトとかでよく見るかと思いますが、こういうやつです。

「ハミルトン・ノーウッドの分類を元にした高島分類」
ハゲ予備軍太
ハゲ予備軍太

あー!これか!みたことある!

プチハゲ兄貴
プチハゲ兄貴

左側からレベルⅠ~Ⅶまでの分類があります。

私はレベルⅡのあたりと診断されました。

レベルⅠ~遅くてもⅢまでには治療開始できるのが理想ですね。

治療

ここでは、各治療方法や対症療法について、その方法がどの程度推奨できるかということが書かれています。

当サイトで取り扱うのは抜け毛予防となるフィナステリド・デュタステリドと、発毛を促進するミノキシジルの塗り薬と飲み薬の4種類です。

なので、まずは、当サイトで取り扱う4つの治療法の推奨度をご覧ください。

治療方法推奨度推奨文
フィナステリド(飲み薬)は有用か?A(行うよう強く勧める)男性型脱毛症にはフィナステリドの内服を行うよう強く勧める。
デュタステリド(飲み薬)は有用か?A(行うよう強く勧める)男性型脱毛症にはデュタステリド内服を行うよう強く勧める。
ミノキシジル(塗り薬)は有用か?A(行うよう強く勧める)ミノキシジル外用を行うよう強く勧める(男性型脱毛症:5%ミノキシジル)
ミノキシジル(飲み薬)は有用か?D(行うべきではない)ミノキシジルの内服を行うべきではない
当サイトで取り扱う治療方法のみを抜粋。すべて男性型脱毛症に対する推奨度。
ハゲ予備軍太
ハゲ予備軍太

ミノキシジルってよく聞くけど、飲み薬だと推奨度はDなんだね。

プチハゲ兄貴
プチハゲ兄貴

そうですね。

ザックリ説明すると、「男性型脱毛症で認可されている国はないこと」「臨床試験を実施していないこと」「利益と危険性が充分に検証されていないこと」が記載されています。

ただ、やはり発毛の効果はあるようなので、AGA治療に用いられているというのが現状のようです。

では次に、当サイトでは取り扱わない他の治療法についても、治療の推奨度一覧をご覧いただきます。

治療方法推奨度推奨文
植毛術は有用か?自毛植毛はB(行うよう勧める)
人工毛植毛はD(行うべきではない)
男性型脱毛症には自毛植毛術を行うよう勧める。一方、人工毛植毛術を行うべきでない。
LEDおよび低出力レーザー照射は有用か?B(行うよう勧める)LED及び低出力レーザー照射を行うよう勧める。
アデノシンの外用は有用か?B(行うよう勧める)男性型脱毛症にはアデノシンの外用を行うよう勧める。
カルプロニウム塩化物の外用は有用か?C1(行ってもよい)カルプロニウム塩化物の外用を行ってもよい。
フラバノンの外用は有用か?C1(行ってもよい)行ってもよい。
サイトプリンおよびペンタデカンの外用は有用か?C1(行ってもよい)サイトプリン・ペンタデカンの外用を行ってもよい。
ケトコナゾールの外用は有用か?C1(行ってもよい)ケトコナゾールの外用を行ってもよい
かつらの着用は有用か?C1(行ってもよい)かつら着用を行ってもよい。
ビマトプロストおよびラタノプロストの外用は有用か?C2(行わないほうがよい)ビマトプロストおよびラタノプロストの外用を行わない方がよい。
成長因子導入および細胞移植療法は有用か?C2(行わないほうがよい)成長因子導入および細胞移植療法は行わないほうがよい。
当サイトでは取り扱わない治療法を抜粋。すべて男性型脱毛症に対する推奨度。
ハゲ予備軍太
ハゲ予備軍太

あまり聞いたことない方法が多いね。

プチハゲ兄貴
プチハゲ兄貴

そうですね。

いくつかのクリニックを回りましたが、ほとんどは最初のフィナステリド/デュタステリド/ミノキシジル(飲み・塗り)の4つの方法+成長因子導入および細胞移植療法でした。

ハゲ予備軍太
ハゲ予備軍太

成長因子導入および細胞移植療法をやってるところも多いんだね。

プチハゲ兄貴
プチハゲ兄貴

そうなんです。

ビフォーアフターを見ると効果はあるようなのですが、ただ、少し高額なんですよね。。。

このサイトでは月額1万円以内での治療というルールを設けているので、月1万円の予算に収まるフィナステリド/デュタステリド/ミノキシジル(飲み・塗り)の4つの方法を取り上げています。

以上で、男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインの要約を終わります。

まとめ

本記事では、日本皮膚科学会が公表した男性型および女性型脱毛症診療ガイドラインを簡潔にまとめてご紹介しました。

このガイドラインは科学的根拠に基づいた最新の情報を提供し、男性型脱毛症(AGA)の病態、診断、治療法について詳しく説明しています。

当サイトはこのような信頼性の高い情報源を基に記事を作成しており、薄毛で悩む読者の方に、正確かつ有用な情報を提供することを指針にしています。

この記事を書いた目的は、記事を読んだ方が、脱毛症に関する知識を深めるだけでなく、当サイトを信頼し、安心して利用していただけるよう信頼をして頂くことです。

この記事を読むことで、「現代の脱毛症治療は科学的根拠に基づいた確かなものである」と感じていただけるはずです。

ぜひ、このサイトを皆様の髪の毛の悩みを解決する情報源としてお役立てください。